きっとだいじょうぶ

書き手:加須市立加須図書館 A

きっとだいじょうぶ―ひろはまかずとし墨彩詩画集

きっとだいじょうぶ―ひろはまかずとし墨彩詩画集

所蔵図書館 資料番号 請求記号
加須市立加須図書館 010146991 /721.9/キ
ゆうき図書館 011425568 721.9 /ヒ

1.この本を選んだわけ
所蔵するにいたった理由は、やわらかいタッチの優しい絵と、スッと心に染み入る優しい言葉が載っている本書の持つ温かさを当時の選書の担当者が感じ取ったからなのかもしれません。

今回、本書を取りあげたのは、ちょうど、5月ごろ、「元気の出る本を3冊紹介してほしい」という依頼が来たのがきっかけで、ピックアップした資料の1つだったためです。

図書館には様々な資料が置いてあるのですが、元気のない時に、「さぁ、これから長編小説でも読んで元気を出そう!」という気力はなかなか出ないものです。
また、主人公が同じような境遇から脱却したような本ですと、逆に本の中の主人公との差を感じて一層落ち込むことも考えられます。

依頼を受けた時期に「元気の出る本」と言われても、少し難問だったのですが、短時間で読めて心がスッとさせるようなものや、少しクスッと笑顔になれるものが良いと思い、本書と他2冊を選びました。

さて、本書を読むと、泣きたい時には涙を流して『いい涙を流した』と思えるような気持にもなれますし、明日へ向かって『一歩出よう』という気にもなれます。

本書に限らないことですが、まずは本を手にとって素敵な言葉を見つけられると、きっと元気が出るのではないかと思います。

2.こんなひとにおすすめ
元気のない人はもちろん、「なんか素敵な言い回しや言葉が載っているものがないかなぁ?」と思っている方々なんかにおすすめです。


3.こちらもどうぞ

ブランコのむこうで (新潮文庫)

ブランコのむこうで (新潮文庫)

所蔵図書館 資料番号 請求記号
加須市立加須図書館 010376499 B/ 913.6/ホシ
ゆうき図書館 010631273 F/ ホシシ/

こちらは、その時に紹介した2冊目の本。
作者の星新一氏はショートショートというスタイルを得意とする作家さんで、元気のない時でもすぐに読めて、気分転換になる作品も多いのですが、その中では珍しく、こちらの本は長編です。
しかし、テンポがとても良いので、読みやすく書かれています。

これを「元気の出る本」として紹介した理由は、この主人公が、色々な人の夢の中を渡り歩きつつ、その人いる現実世界についても考える形で関わっていくことによって、現実の世界に主人公が戻った時に「この現実世界があればこそ」と思ったように、読み手にもそう思わせる感じがするためです。

3冊目は、以前逆転の発想ということで紹介した(http://d.hatena.ne.jp/lib-web/20100707/1278497389)『3びきのかわいいオオカミ』です。