浅草十二階

書き手:千葉県立図書館 W

浅草十二階―塔の眺めと“近代”のまなざし

浅草十二階―塔の眺めと“近代”のまなざし

所蔵図書館 資料番号 請求記号
千葉県立東部図書館 2101341299 2106 / 178
加須市騎西図書館 310072616 /210.6 /ア/
ゆうき図書館 010086338 /210.6 /ホ/

1.この本を選んだわけ
建設中の東京スカイツリーが何かと話題になっています。
高さは抜かれてしまいましたが、東京タワー人気もまだまだ健在です。
もしかして今塔が旬?というわけで、元祖東京のランドマークタワー、浅草十二階についての本はいかがでしょうか。
浅草十二階は、エッフェル塔ができた翌年の1890年に建てられ、関東大震災で崩壊してしまった十二階建ての塔。凌雲閣の名前でも知られています。
日本で最初のエレベーターが設置されたり、乱歩や花袋、啄木などの文芸作品や映画にも登場したりして、なかなかの存在感だったようです。
こちらの本では浅草十二階とあわせて、風船乗り、百美人、パノラマ写真といった当時の風俗や世相のよもやまが、「まなざし」をキーワードに語られています。
何やらあやしげな世界に幻惑されそうな、不思議な雰囲気が漂う本です。

2.こんなひとにおすすめ
空気が澄んで空を眺めるのにいい季節になりました。
空を見上げながら、過ぎ去った時代に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。
浅草十二階についてもっと知りたくなったら、著者が本の刊行と同時に立ち上げたホームページで、写真や絵葉書などの資料を見ることもできますよ。(「浅草十二階計画」http://12kai.com/

3.こちらもどうぞ

日本の高塔―写真&イラスト

日本の高塔―写真&イラスト

所蔵図書館 資料番号 請求記号
千葉県立東部図書館 2101110676 5231 / 20
ゆうき図書館 010152981 / 523.1/ ヒ/

こちらの本は煙突から電波塔、展望塔、モニュメントにいたるまで、とにかく日本の高い塔を取材したもの。
浅草十二階もちらりと載っていて、歴史的な部分もざっと押さえた作りになっています。
「写真&イラスト」とありますが、ビジュアル本というより薀蓄本です。
10年前の本なのでデータが古いのと索引がないのがちょっと残念ですが、意外な豆知識が満載で、色々な方面の好奇心が刺激されます。マニアじゃなくても楽しめますよ。