【テーマ:脱出の日の本】図解ロープワーク大全

書き手:加須市騎西図書館 A

図解 ロープワーク大全−使いたい結びがすぐわかる−

図解 ロープワーク大全−使いたい結びがすぐわかる−

所蔵図書館 資料番号 請求記号
加須市騎西図書館 310497995 /553.7/ス

1.この本を選んだわけ
フランスナポレオン帝国の首都が陥落し、エルバ島に追放されたナポレオン・ボナパルトが1815年の2月26日に島を脱出したことから『脱出の日』ということで、今回は『脱出の日の本』をテーマに資料の紹介をしています。

さて、脱出を広辞苑でひきますと、『ぬけでること。ぬけだすこと。』とあります。
ナポレオンのような脱出をしないまでも、災害時など非常時の脱出から、私は現実に見たこともやったこともないですが、親や引率の先生や管理人の目を盗んで窓からの脱出のような一種のスリルを感じる脱出や、単に現状打開という意味の脱出まで、日常でも脱出する機会はたくさんあると思います。

そんな中、脱出の日の本として良いかなぁと思って紹介するのが本書です。
というのも、実際、所蔵するに至った経緯は、色々な物の縛り方について載っている本ということで選書しましたので、脱出とは何の関係もないのですが、本書には「ロープを伝(使)って高い階から脱出したり、高所作業をする」という項目があり、体を落ちないように確保しながら、ロープで降りるためのよく登山の救助などでも見られるような結び方が3種類、高い所からロープを伝って降りていく時に加速度がつきすぎないように節を一気に作る方法と命綱のロープの端の結び方が載っています。
そのくらいであれば、他のロープワークの本でも見かけますが、本書には、ロープがない場合の代用品としてシーツをつなぎ合わせたり、ロープもシーツもないけど大勢の人がいる場合にベルトをつなぎ合わせてロープの代わりにする方法が書かれているので、どこで何が起こるかわからないですから、結び方を覚えておいて損はないと思います。

もちろん、本書の魅力は脱出用途というわけではなく、荷物の梱包や古新聞のまとめ方から西瓜や一升瓶など結びにくい物の結び方といった日常生活によく使われる結び方に加え、登山や釣り、キャンプなどのアウトドアに使える結び方など350通りのロープワークが載っていることです。
他にも、それぞれの結び方の用途や長所・短所なども書かれている点も良いと思います。

脱出しなければいけない時に、本書とロープが偶然にあることはまずないでしょうから、簡単な結び方から色々と覚えてみてはいかがでしょうか?

2.こんなひとにおすすめ
本書には日常生活で使えるものから、アウトドアで使えるもの、ロープで飾りを作れるものまで、色々なロープワークが載っていますので、多くの人におススメです。
季節柄もうすぐ新生活などで引っ越しをする方も多いと思われますから、引っ越しの荷造りや2階からの荷物の上げ下ろしなどに使える結び方を覚えて、今から結び方の練習しておくと、作業が楽になるかもしれませんね。

3.こちらもどうぞ
今回のテーマが『脱出の日』と聞いて、まず思いついたのが、窓からロープを垂らしての脱出と、いわゆる脱出マジックでした。
なので、こちらもどうぞ。

所蔵図書館 資料番号 請求記号
加須市騎西図書館 310105770 / 779.3/オ

この本は、江戸時代に盛んに行われた手妻と呼ばれる日本独自の奇術の歴史について書かれており、芝居小屋での脱出奇術など当時のプロの舞台奇術から今でいうクローズアップマジックのような手練奇術、そしてからくり人形や歌舞伎舞台の仕掛けまで、その種明かしとともに解説されていて、西洋のいわゆる現代マジックに通じるものも多く、きっと興味を持って読み進められることと思います。

明治に入って衰退した日本伝承の手妻を見る機会はほとんどありませんが、マジックショーなどを見に行って、その世界に浸り日常からの脱出をしたくなりました。