奇跡のリンゴ

書き手:ゆうき図書館(O)

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録

奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録

所蔵図書館 資料番号 請求記号
ゆうき図書館 011056074 625.2/イ
犬山市立図書館 111425724 625/
加須市立加須図書館 011016318 625.2/キ


1.この本を選んだわけ

原発事故で風評被害を受けている農家への支援の動きが全国各地に広がりを見せ、
結城市でも、地元野菜を地元の人に消費してもらおうと同市役所で直売会が開かれ、
開始後すぐに売り切れるなど予想以上の反響だったとのことです。


http://www.ibaraki-np.co.jp/news/news.php?f_jun=13029605886748
茨城新聞 2011年4月17日(日)地域面 結城の野菜は安全 地元消費で全国発信>


生産者にとって、精魂こめて作ったものが出荷できないということは死活問題であり、また売れ残って処分されることほど悲しいことはありません。

今回ご紹介するのは、青森県弘前市で無農薬・無肥料・自然栽培によるリンゴ栽培をしている木村秋則さんを取材した記録。

絶対不可能といわれた農薬や肥料を一切使わずに作られるリンゴ。
奇跡と言われたこのリンゴが、花を咲かせ、実をならすまでの軌跡が綴られています。
人智の及ばない自然と努力が実らない現実に向き合う日々、失敗と苦悩の連続で死をも覚悟した険しい道のりは、きっとこの1冊だけでは収まりきれていないのかもしれません。
けれど行間からひしひしと伝わるのは、木村さんの温かい人柄、そして苦難の先に見える希望です。

冒頭に記されるインドの代表的な詩人ラビンドラナート・タゴールの詩『果物採集』の言葉がとても印象的で、木村さんが経てきた道、まさにこの記録と深くリンクしているなと感じました。

毎日食べている食材ひとつひとつが私たちの手に届くまでには、必ず育てる人がいて、その人たちの計り知れない苦労と想い、そして願いが込められているのだということを感じられる1冊です。

2.こんなひとにおすすめ

農業を営む方や有機農法、自然栽培に関心のある方はもちろん、
消費者として自分たちが食している野菜や果物がどんな想いで作られ、どう自分たちの生活と繋がっているのかを改めて考えさせられる、今おすすめの1冊です。

3.こちらもどうぞ

有機な人びと おいしく安全な食を求めて

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所蔵図書館 資料番号 請求記号
ゆうき図書館 011165404 615.7/ア
犬山市立図書館 112283106 615/
加須市立加須図書館 011082641 615.7/ユ

有機農業と向き合い、有機農業に取り組む人たちを取材した記録。
地産地消を推奨するイタリアンレストランのシェフや無農薬有機野菜を中心とした食育活動を実践している保育園の園長先生など、
農業に従事している人だけでなく、有機農業に関わるさまざまな分野の人たちに注目した1冊です。